こんにちは。
フランスで就活を行い、無事仕事を見つけた私が、
フランスにおける職探しを通して、実際に感じたことやぶち当たった壁についてまとめてみました。
皆さんの就職・転職活動の参考にしていただけましたら嬉しいです😊
フランスの就活で重視されること
学歴
フランスはかなりの学歴社会・エリート階級の国と言われています。
私は就活でそれを実感しました。
そのきっかけは、フランス式のキャリア形成に関する日本との違いを感じたことにありました。
フランスでは、学生の時に「どの学校・学部で何の専門性を高めたのか?」というポイントが、その後の就職でも重要になるようで、
学生時代に何を学んだのかで、将来の職業(仕事のキャリア)がはっきり決まり、将来どの分野のスペシャリストになるのかもそこでしっかりと決まるようです。
このキャリア形成に対する感覚が日本と全く違って、相当シビア😣!!
日本のように、大学の専攻とその後の就職先(仕事内容)が全然違う分野ということはかなり稀。
また、求人の時点で、自分がBAC+2、BAC+3、BAC+5、BAC+6以上の中の、どのカテゴリーに入っているのかで、
自分が応募できる仕事のポジションや就職後のお給料にも大きく影響します。
私は、フランス人と同じようにフランスで生まれ育っていませんし、フランス人と同じように学校教育を受けていません。
最終学歴は日本の大学の学士(4年制)です。
ここでぶち当たる壁が、フランスの教育過程と日本の教育過程のシステムが全く違うこと。
例えば、フランスの大学で「Licence(学士号)」を取得するためには、フランスの大学で3年間勉強する必要があり、
バカロレアはBAC+3。
一方で、日本の大学でLicenceを取得するためには、日本の大学で4年間勉強をする必要があります。
その場合、BAC+4でも良さそうですが、
フランスの教育システムに当てはめることになるので、残念ながらフランス人にはBAC+3と見做されてしまいます。
郷にいては郷に従えなので、これはしょうがない。
もっと上の学歴(BAC+5以上)が欲しいなら、フランスの大学やグランゼコール(若しくは、日本の大学院)に通って相応の学歴を持つしか方法はありません。
すると、学歴社会のフランスでの職探しにおいて仕事の選択、将来性に幅が出る可能性が非常に高くなります。
私は、フランスに来てから仕事に結びつくFormationを1年間受けて、ディプロムを取得していたので、
それはそれで、フランスでの就活でアピールとして役立ったので、大変だったけどやっておいて良かったと今でも思っていますが、
やはり、「BAC+」の表記はCVや求人欄での重要ポイントとなるので、
日本人が日本の学歴を持ってフランスで就職活動する上では、悔しい思いをする人が多いだろうなと感じました。
職歴
フランスでの学歴がない私でしたが、日本での職歴があったので何とかピンチを抜け出すことができました。
だから私たち外国人にとっては、過去の職務経歴も大きなポイントだと思っています。
フランスで仕事探しをするにあたり、日本で社会人経験(実務の経験値)を積んでおいて本当に良かった!と思いました。
「自分が過去にどんな仕事の経験を持ち、どのポジションに就き、どんなスキルがあり、どのように会社に貢献することができるのか。」
それをCV・Lettre de Motivation・面接で明確に説明しなければなりません。
フランスは多くの場合、実力主義・実力社会なところがあります。
日本のように、就職の場面においてポテンシャル採用がほとんど存在しません。
求人欄を見ていると明らかなのですが、
そのポジションでの業務経験2年~3年以上ということを応募条件として書いている企業が多かったです。つまり、未経験者は働きたくても応募すらさせてもらえない悲しい現状。涙
大学を卒業したてのフランスの若者たちにとっても、これは厳しい条件だろうなと思いました。
ただ、日本人でもフランスの大学・グランゼコールを卒業されている方は、
スタージュなどを経験していることが多いと思うので、職歴の代わりのアピールポイントになる可能性がとても高いと思います!
私の場合はフランスの大学を卒業していない上に、フランスでの社会人経験ゼロ。
それでも、約10年間日本で継続的に働いてきた職歴と仕事の知識は自分のアピールポイントとして大変役立ちましたし、
その結果、運よく希望の職種で採用してもらうことも出来ました。
本当に、「これまでの経験は全て無駄じゃなかった!」とこのとき心底思いました。
日本で最低3年以上、同じポジションで職務経験があると、フランスでの職探しにも役立つと思います。
だからこそ、
渡仏前に「日本である程度のキャリアを築いておくこと。」「日本で仕事の基礎基盤を築いておくこと。」が大切!
それは渡仏後の職探しにおいて大きなアピールになると感じました。
語学力
フランスで仕事を探すなら、フランス語の「読み・書き・話す・聴く」をきちんとできるよう勉強しておくこと。
Tutoyer ではなく Vouvoyer で相手に丁寧に伝えるスキルを身に付けておくことをオススメします。
もちろん職種によって、求められる仏語レベルに差はあると思いますが、
やはりフランスで仕事を探すという事は、
フランス人と同じ土俵で戦うことになるので、フランス語力は必須だと感じました。
そして、この国で求められ語学力は、やはり英語ではなく「フランス語」が基本です。
フランス語が出来る上で、「英語」やその他の言語能力が複数あれば、とてもポジティブに働くと思いますよ😊
日本語は、日本人のクライアントや日本人のお客様と仕事をする機会のある場合や日仏間のプロジェクトならばアピールポイントになるかと思いますが、
一般的にフランスで仕事を探す上では、そこまで需要が多くないのが現実なので期待しすぎないこと。
「経験とスキル」が重視されるフランスの就活
フランスでは、就活・転職の場面で日本ほど大学名や会社名を重視されません。
また、日本人の私たちがたとえ日本の一流大学・一流企業を卒業していようと、フランスでは優位には立てません。
フランスにも有名校や一流グランゼコールのエリートコースはしっかり存在します。
(むしろ、フランスのエリート階級に関しては日本以上に厳しい格差社会だと思う。)
そんな社会背景ではありますが、
実際に私たちがフランス人と肩を並べて就活をする時には、
「どの分野でなんの専門性を高めたのか?」とか「前の会社でどのポジションに就き、どのような仕事を行ったか?」という具体例や経験が前職の会社名や卒業した学校名よりもかなり重視されている気がしました。
その日仏の違いが顕著に現れるのが、CVの書き方。
日本だと「学校名・企業名」を履歴書の経歴欄にまず初めに書くかと思いますが、
フランスでは、仕事のポジションや取得したディプロム名をタイトルにして時系列にCVを書く傾向があるからです。
だからこそ、外国人である私たちがこの国で仕事に就くためには、
語学以外の部分でフランス人に負けない経験やスキルなど、何かしらの強みを持っている必要があります。
もしもそれがないなら、
フランスで学校に通うなどしてスキルや能力をしっかり身に付けることで、外国人としてのハンデをある程度補うことができるはず。
フランスでの職探しは日本の就活よりも辛いことも多いですが、
必ず何かしらフランスでも就職する方法や抜け道はあるはずなので、決して諦めないで!
日本人であることも、大きな強みになることもあるかもしれませんし、
日本人の私たちだからこそ出来る仕事も必ずあると私は思っています。
今回は、私がフランスで就職活動を行ってみて感じたことをまとめてみました。
このページがみなさんの何かのお役に立てたら嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました😊