こんにちは!
最近、渡仏後に出会った彼とPACS(=パックス)をすることになり、先日無事にお役所での手続きが完了しました。
そこで今回は、PACSの手続き方法・必要書類・締結までにかかった期間についてまとめます。
※パックスを知らない方へ、「PACSとは何か?」については、また別の機会にお話しできればと思います😊
実は、今回パックスの手続きをするにあたり、私が日本国籍ということもあり、手探りの状態で準備をはじめました。
書類を揃えるにあたり、オフィシャルな情報のほか、他の方のブログが自分たちの手続きにとても役立ったので
私の経験も、今後フランスでPACSする方のお役に立てたらと思い、今回シェアさせていただくことにしました。
あくまでも私たちの場合の一例となりますが、
少しでも、みなさんの疑問や不安が解決するための糸口になれば嬉しく思います。
<読む前の注意点>
2021年度現在 のPACSの手続きは、ご自身が住んでいる地域の区役所・市役所が管轄となり、地域によって手続き方法が異なる場合があります。そのため、このページでご紹介する内容がすべての方のPACS手続きに当てはまるとは限りませんのでご注意下さい。
必ず、最寄りの役場にてご自身で確認を行ってから手続きするようにしてください。
PACSの主な流れ(2021年)
- MAIRIE(区役所)へ手続き方法について直接問い合わせる
- 全ての提出書類を準備する
- 区役所にて、書類を提出するためのRDVを取る
- <書類 RDV>の当日、区役所へ行き書類を提出する。
書類内容に不備がないか担当者に確認してもらい無事に受理されたら、その場でPACSを締結するためのRDVを取る。 - <締結 RDV>の当日、パートナーと区役所へ行き、PACS締結の最終手続きをして完了✨
(→この時は、必ず二人揃って区役所へ行かなければなりません。)
PACSの流れ自体はとてもシンプルです。
ポイントは、自分の足で区役所へ直接行き、PACSの手続き方法について直に問い合わせることだと思いました。
実際に区役所へ行ってみたところ、とても丁寧にアドバイスしていただきました。またこの時に、必要書類を分かりやすく纏めたリストも頂きました。
ここで感じたことは、フランス政府の専用ホームページに載っているPACSのための必要書類と、実際に区役所で教えていただいた必要書類の内容が違っていたこと。
特に、私のような外国籍の者がパックスをする場合は、通常の書類と異なる場合があるので、少し面倒でもきちんと自分で役所まで聞きに行くことが大切です。
必要書類について
<提出書類>
ここでは日仏カップルの場合を前提として、日本人側が確認するべき必要書類をまとめます。
- Convention-type de pacte civil de solidarite et Attestations sur l’honneur de non-parente, non-alliance et residence commune
👉 PACS申請書&パートナーが親族や婚姻関係などでないことの証明書
記入書類は区役所でもらいました。 - Declaration conjointe d’un pacte civil de solidarite
👉 PACSをするための宣誓書
こちらも記入書類は区役所でもらいました。
この書類内には、今後の財産の扱いなどを含めたPACS後の細かな決めごとの項目もありました。 - 出生証明書 Acte de naissance
フランスの出生証明書に該当する日本の書類は「戸籍謄本」になります。
今回は、リヨンの区役所から「アポスティーユ付き戸籍謄本(6カ月以内)」と事前指定されていました。そこで、日本の家族にお願いし、まず日本側の市役所で「戸籍謄本」を入手し、その後、委任状を付けて日本の外務省へアポスティーユ(英文)の書類申請を行いました。
それらの書類を、まとめてフランス側に送付してもらいます。
フランスに書類が到着後、日本領事館(または、在フランス日本国大使館)にて、フランス語で「Extrait d’Acte de naissance」 の書類を発行してもらいます。ちなみに、区役所に書類を提出する際には、「Extrait d’Acte de naissance(仏語)」と「アポスティーユ付き戸籍謄本(日本語)」をセットで提出します。 - 慣習証明書 Certificat de Coutume
日本での該当書類は、「身分証明書」になります。
身分証明書といってもパスポートや免許証ではありません。ここでいう「身分証明書」とは、「禁治産または準禁治産の宣告を受けていないこと・破産宣告を受けていないこと・後見登記の通知を受けていないこと」を証明する書類で、日本の本籍地の市役所・区役所が発行する、公的書類となります。確実に書類を揃えたかったので、今回はこちらも念のため、「アポスティーユ付き身分証明書」を日本から入手しました。
フランス側に書類が到着後、在リヨン日本領事館にて「アポスティーユ付き身分証明書」を基にフランス語で有効な公的書類を有料で発行してもらいました。
実は、日本から取り寄せた「身分証明書」を提出すれば領事館でCertificat de Coutumeを発行してもらえるものと思いこんでいたのですが、日本にはPACSに相当する法制度が存在しないことが理由でCertificat de Coutumeは発行してもらえませんでした。(←結婚の場合なら発行可能。)その代わり、私の場合は「Certificat de non Faillite(無破産証明書)」という書類を発行してもらい、それに加えて「領事からのフランス語レター」を付けてもらうことでクリアしました。 - 身分証明書
パスポートの原本&コピーを提出 - CERTIFICAT DE NON PACTE CIVIL DE SOLIDARITÉ
過去3か月以内に、PACSをしていないことを証明する証明書
こちらは、フランス政府の専用ページからインターネット申請し、ネット上で書類を入手しました。
申請から約一週間ぐらいで発行してもらえます。
☞ https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/R2107
準備から締結までにかかった期間は?
区役所で必要情報を集めパートナーとともに準備を開始してからPACS完了まで、
なんと6カ月(半年)もかかりました!!!
正直、ここまで長期戦だと思わなかったので、私たちもビックリです。
ここはフランス。流石に時間がかかったとしても3か月ぐらいだろうと読んでいましたが、
実際は区役所でのRDV予約が二回とも一か月待ちだったり、クロノポストの書類未着トラブルや8月のバカンスシーズンを挟んだこともあり(←バカンスシーズンのお役所はあまり働いてくれない)、想像以上に時間がかかる結果となりました。
取り寄せた書類の有効期限が切れるのではないかとハラハラしました。
また今回は、日本にて外務省からアポスティーユ付き書類を用意した為、日本で発行してもらう書類も通常よりも一週間ほど多く時間がかかりました。
これからPACSをする方は、早くできたらラッキーぐらいの気持ちで余裕を持って準備を進めるとストレスが少なくて済むかと思います😊
注意すべきこと・手続きのポイント
実際にPACSを終えてみて、
書類の準備が思った以上に大変だったことと、PACSを完了するまでにかなり時間がかかることが分かりました。
残念ながらパックスを良く知らない方の中には、「フランスでPACSは簡単にできる。」という認識の人がいるようです。確かに、フランス人同士がパックスする場合は、そこまで難しくないのかもしれませんが、実際に日本人がフランスでパックスする場合、日本から書類を取り寄せる為の手間・時間・お金がかかりますし、全く簡単な作業ではありません。(手続きの流れ自体はシンプルなんですけどね😌)私の周りの「外国人&フランス人カップル」の友人もパックスの手続きに色々と苦労してるようでした。
これだけは注意しておきたいポイントは、お役所への提出書類が区役所・市役所によって本当に違うということ。フランス政府のネット情報だけを見て準備するのではなく、きちんと提出先のお役所に事前に問い合わせておくことです。
ポイント
✔ 今回私たちの手続きでは、「アポスティーユ付き戸籍謄本」と区役所で指定されていたので用意しましたが、自治体によって普通の「戸籍謄本」だけでOKな場合もあるようです。
✔ 戸籍謄本に関しては、フランス語で法廷翻訳した戸籍謄本が必要な場合もあるそうなので注意。
(その場合は、フランスで法廷翻訳家 TRADUCTEUR ASSERMENTE に有料で依頼することになります。これは、大使館や領事館が発行する仏語の出生証明書とは異なるものです。)
PACSをする方は見ておくべきサイトはこちら☟
- Service-Public.fr
フランス政府が管理するサイトで、PACSに関する詳しい情報も載っているため必見です。
ただし、何度も言うようですが、
手続き方法や書類に関しては、実際にご自身が住んでいる地域の役場で確認することを強くおすすめします。 - 在フランス日本国大使館
パックスのための必要情報が載っています。
このページが皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んで頂き有難うございました。