自己紹介・私が社会人になってからフランスに来た理由と経緯

こんにちは。
今回は改めて自己紹介も兼ねて、私がフランスへ来た理由と日本にいた頃の経緯についてお話します。
なぜなら、今も昔も周りに聞かれる質問があるのです。
「どうしてフランスを選んだの?」「会社辞めてまでどうしてフランス行ったの?」「よく海外にでようと思ったね」

今回は、そんな周囲からの疑問に対する私なりの答えをまとめてみました。
テレビをつければ暗いニュースばかりで、誰もが先の見えない不安定な時代。
でも結局のところ、

最後に自分の道を決めるのは自分しかいません。

このページが、これから何かに挑戦したい人の励みになれば嬉しいです。

長くなるので、興味のある方だけご覧ください。

わたしがフランス行きを決めた理由

私は、33歳の時に約10年間お世話になった会社を退職して学生ビザを使ってフランスへ来ました。
フランスへ来た当初は、現地に頼れる知人も友人もいなかったので、本当に全てがゼロからのスタート。

会社を退職してまでフランスでのサバイバル生活を選んだ理由は下記の通り。

✔ 新しい事にチャレンジしたいと思った。
✔ 人生で一度外国に住んでみたいという夢を実現してみようと思った。
✔ フランス語とフランス文化に興味があった。
✔ 英語以外の言語を習得したかった。
✔ 当時勤めていた会社で、この先何十年も働きつづける「自分の将来像」が描けなくなった。
✔ 新たな仕事にたどり着くまでのプロセスになると思った。
✔ 留学&移住費用が他の欧米諸国に比べて安かった。

<プロフィール>フランスに来るまでの経緯

<学生時代>初めての学生旅行でヨーロッパへ。

子供の時からなんとなく外国に憧れを持っていた私。
小学生の頃は、大好きなテレビ番組セサミストリートを見ながら、「外国ってどんなところ?」と勝手に想像を膨らませていました。
そんな子供だったので、高校時代の好きな授業ももちろん「英語」。
その後、大学で英文学を専攻しました。

20歳で経験した、初めての学生ヨーロッパ旅行

大学二年生の冬。
当時、日本で英文学を学んでいた私は、「イギリス文学」という入り口からイングランドの土地・歴史・文化に興味を持ち、大学時代の親友と2人で初めてのヨーロッパ旅行を計画することに。

周りの友達が成人式に向けて、親に着物を買ってもらったりレンタルしているのを横目に、私の成人式は母の振袖をお借りする代わりに、「成人のお祝い」を口実に両親に頼み込み、自分の貯金と合わせて旅行代を資金援助してもらえることになりました。

ついに待ちに待った人生初のヨーロッパ旅行。
学生用の格安航空チケットで韓国経由ロンドンへ降り立ちました。
そこからロンドンを拠点にオックスフォードやシェークスピア生誕の地など、様々な場所を観光✨

自分が大学で学んできた世界が目の前に広がっていることに感銘を受けながら大感動。

何を見ても、どんな事にもいちいち興奮していました。笑
そして、「いつか留学してみたい」と物凄く単純に思いました。

この学生旅の目的は、勿論「イングランドを巡ること」だったのですが、
折角遠いヨーロッパまで来たのだから、他の国にも行ってみよう!という話になり、、
そのとき、ロンドンから一番行きやすかった国がフランスでした。

そこで、ユーロスターを使ってロンドンからパリまで冒険してみることに。

これが私にとって人生初のフランスでした。

当時のフランスは殆ど予備知識なし。憧れも何もなく、単なる好奇心だけ。
「フランスがどんなところか試しに見てみたかった」というのが理由。

唯一フランスに関連して興味があったのは、「音楽・芸術」と「食文化」♡
実は、子供の頃から習っていたピアノの影響で、好きだった作曲家がエリック・サティー、ラヴェル、ドヴュッシー、フォーレなどの印象派を中心とした作曲家だったので、今思えばその頃からフランスに惹かれていたのかもしれません。

また私は、自他ともに認める根っからの食いしんぼう。
中学時代のあだ名は「食通」。笑
背伸びしてちょっと高級なレストランに入ってみたり、パン屋さんでバゲットを食べてみたり、朝のマルシェを歩いてみたり、初めて旅したフランスは全てがドキドキの刺激に溢れていました。

当時の私は、相当無知な小娘。
何となく、イギリスとフランスは同じヨーロッパだから大差はないだろうと思っていましたが実際は全然違いました。
一番印象的だったのは、フランス語。
それまで、私は「外国」=「英語」と思い生きていたので、英語さえ出来ればどこでも通じると思い込んでいました。
そのため、母国語が英語ではない国がとても新鮮に映りました。

ほんの2週間ほどのヨーロッパ旅行は、短い滞在でしたが私にとって初めて見る世界ばかりで、
友達と大笑いしたり恥をかいたり、今でも忘れられないほど様々な経験をし、この旅が本格的にフランスに興味を持つきっかけになりました。
最終日にホテルから空港へ向かう中で「絶対にまた戻ってくる!」と心に誓ったことを今でも覚えています。

大学卒業後の進路に悩む。入社それとも留学?

旅を終えてから約一年後。
次なる進路を決めるべく、就活の時期がやってきました。無事に企業から内定をいただきましたが、内心では将来の選択にとても悩んでいました。
実はこのころ、大学の恩師に留学の相談をしたことがあり、「アメリカの某大学なら大学院に入るための紹介状を書くことができる」という有難いオファーをいただきました。当時から海外へ出てみたい欲求があったので、とても悩みましたが、既に就職内定をいただいていたこと、高額なアメリカの留学費用やアメリカでの生活も自分の中でイメージが出来ず、日本で社会人としての道を選ぶことにしました。
同時に、「海外へ出たら、しっかりとした学歴を身に付けて帰国しなくては!」「そもそも海外へ行きたいなら海外旅行で十分では?」などと自問自答していました。

<社会人の10年間>企業に新卒入社~退職まで

海外に関係した仕事に携わりたかったので、東京にある商社に一般職として新卒入社。
こちらの会社では、本当に沢山の経験をさせていただき、今でもとても感謝しています。
安定したお給料と年2回のボーナスをいただき、本当に恵まれた環境でした。
しかし、それなりに充実した会社員生活でしたが、海外に出たいという気持ちは何年たっても消えることなく、常に変わりません。
そのため、貴重なお休みを会社からいただいては、海外旅行でストレス発散!
フランス・アメリカ・カナダ・イタリア・スペイン・香港などなど、色々な国を旅して歩きました。
この頃は、少ない休暇をフル活用するために、仕事終わりに会社から羽田まで直行し、0時前後の深夜便で出発。休暇明け直前に帰国してました。今考えれば出張みたいなすごいスケジュール。

そんな弾丸旅行を通して、フランスは合計5回ほどの個人旅行という名の現地視察を実行し、パリだけではなく、リヨンも含めた地方も何か所か訪れました。
その結果、人生で一度だけ海外に住むなら、フランスに住んでみたいと思うように。

なぜフランスか?

それは、旅をしながら各国を比較して、もっと深く知ってみたいと思える国であり、自分の将来の可能性にも繋がる場所だと思ったからです。なんとなく直感のような所もありました。

当時、総合職の同僚や先輩方は、仕事で頻繁に世界を飛び回っていました。現地駐在員として海外に転居する社員や目が回るほど海外出張をする同僚を眺めながら、私はというと毎日パソコンの前で悶々と悩みながら仕事をする日々。

こんな具合で日本でOL生活を送っていた私は、なんとなく満足した毎日を過ごしていました。
30代に差し掛かるころ、このまま同じ会社で働き続けた場合の5年後・10年後の自分を想像してみた時に違和感を感じずにはいられません。
「このまま、ここにいても何も変わらない。」
そう感じた時、自分の力で未来を変えたいと思いました。
そして、「自分を変えるなら”いつか”ではなく”今”しかない!」と思うように✨

3つの選択肢

世にいうアラサー女子は何かと悩み多きお年頃。
周りの友人や後輩たちが、婚活に励む20代後半から30代に差し掛かるころ。
私も自分の将来について一度立ち止まって真剣に考え、それまで漠然と抱いていた自分の想いや将来像としっかりと向き合うことにしました。

その結果、浮かんだ自分が前進するための選択肢。

変化を求めていた時の選択肢

  1. 転職 (国内外問わず)
  2. 留学・海外移住
  3. 結婚

選択肢① 転職 

実際に転職サイトに登録し、転職先を調べてみましたが、どうもピンとこない。
その上、私が興味のある仕事、ポジションは全てフランスに関係する仕事ばかりでした。そして、こう思いました。「自分がフランスに行きたい想いは、転職後もずっと変わらない。」しかも、下手に転職するぐらいなら、今の会社にいた方が条件的にはよいかもしれない。働いていた会社の社内試験制度を使って一般職から総合職にポジションチェンジすることも検討しましたが、弾丸海外出張や接待でヘトヘトになって体調を崩す女子を間近に見て、ポジションチェンジするモチベーションが私には沸きませんでした。

色々なパターンを考えましたが、当時の自分が転職を求めているわけではないと分かったので却下。

選択肢③ 結婚 

もともと、わたしには○○歳までに結婚!のような目標や結婚願望が全然ありませんでした。

しかし、知り合いの年配女性に「留学なんてせずに誰でもいいから一刻も早く結婚しろ!」とレストランに呼び出されてかなりキツくお叱り(怒鳴り)を受けたことをきっかけに結婚について真面目に考えてみました。
正直なところ、もし当時の気持ちのままで、無理にでも運よく誰かと結婚できたとしても、その後の自分が幸せではなかったと思います。(それに相手にも失礼ですよね。。)

誰に何と言われても、これは本当に本人の気持ち次第。
もちろん、世の女子たちが未来の旦那様を探して婚活に励むのもよくわかります。
しかし、結婚はゴールではなく始まり。
結婚したからと言って、そもそも自分が変わるわけでもありません。
私にとって、結婚することが当時のモヤモヤの解決策になるわけではありませんでした。

選択肢② 留学・海外移住 

そして、最後の選択肢は留学・海外移住をすること。

ここまで散々悩みましたが、
結局のところ、そのとき私が一番挑戦してみたかったのは「海外へ出てみる」というシンプルな答えでした。
ここで行くか行かないか決断したら、「海外へ住みたい」という考えは今後一切断ち切ろうと心に決めていたので、

全てのメリットデメリットを想定しながら、自分の納得がいくまでとことん悩み抜きました。

結果、自分のタイミングを考えると今が動くチャンスだと思ったこと。
そして「ぐずぐず悩んでる時間があるなら、とりあえず行きたい場所に行って一度住んでみればいいじゃん!」と半ば吹っ切れた思いでフランス移住を決意。
年齢も良い意味で決断の後押しになりました。

しかし、海外で長期滞在するための一つの問題がビザの取得
パティシエのような技術職でもなく、エンジニアのような専門職に就いているわけでもなく、フランス語も初級レベルの状態で一番早く費用も安く比較的簡単に取れそうだったフランスのビザが「学生ビザ」でした。

正直、もう堂々と学生と言える年齢ではありませんでしたが💦

様々なビザの種類と特徴を検討した結果、「学生」という身分でフランスへ行くことにしました。

そのため、必然的に「留学」という形を選ぶことに。

フランスへ渡った場合、最終的には自分の将来の仕事(=転職)と結び付けたかったので、今の自分から方向性をチェンジするにも丁度良い機会だと思ったのも理由です。

ずいぶんと長い間悩みましたが、自分の中でとても納得できる選択だったのが不思議。

自分にとってのベストタイミングだったのでしょうね。

退職までの道のり

自分から退職願いを出すのは怖くて勇気がいります。
恐怖の主な原因はこの2つ。

  1. 自分で手に入れた安定を自分から手放すことに対する恐れ。
  2. 新たな道へ進むことへの不安。

私のケースは、会社を辞めたら安定した収入がゼロになるので、それが一番怖くて大きな覚悟が必要でした。

退職の意思を伝えるために、上司に面談を申し込むメールを作成しましたが、会社を辞めるのが怖くなり、その日はメールを送ることが出来ませんでした。汗

翌朝、心に決めて朝いちばんに出社し、震える手で送信ボタンをクリック。
今でもあの瞬間を忘れることが出来ません。

しかし意外だったのは、いざ退職が決まったら、自分の選択に対する自信が沸いてきて、とても自分にポジティブになれたこと
そして、自分の道を歩んでいる実感が持てて心が驚くほどスッキリしました✨

上司や同僚に退職の意思を伝えたとき、周りから頂いた激励の言葉が今でも深く心に残っています。

「働くために一生があるのではなく、人生を豊かにするために働くことが大切だよ。」
「どこへ行っても、どんなに辛くなっても、腐らず信念をもって頑張れ!」

こんな優しい言葉をかけてもらえると思っていなかったので、涙が出るほど有難く、嬉しかったです。

会社員時代は、大変なこともありましたが、自分を育ててくれる素晴らしい仲間に囲まれ、業界のトップを進む方々の働き方を間近で学べたこと、同僚の仕事に対する姿勢はフランスに渡った今でも、この先も一生忘れることはないでしょう。

会社とは関係ありませんが、
私がフランス行きを悩み、何年も先延ばしにしてい時、
「社会人になってまで、会社辞めて留学なんて意味ないよ。」「時間とお金の無駄。」などと、ちょっと意地悪な事を言ってくる人も中にはいました。でも、そういうことを言ってくる人は、大概自分の人生に不満のある人だったり、そこまで親しくない微妙な知り合いだったりします。
人生の大切な分岐点で、家族でも何でもない赤の他人の言葉に従ったからといって、他人が私の人生の責任を取るわけではないので、一つのアドバイスとして捉えました。

それに、家族や親戚、親友たちは、応援して送り出してくれたので、私はそれで十分。

世の中には、様々な意見があるとは思いますが、
自分の道を決める時には、自分の想いと素直に向き合って行動することが大切です。

大きな決断には、最悪の場合も考慮したうえでの覚悟と準備、自分の人生に対する責任が必要だけれど、私はあの時、勇気を出して本当に良かったです😊

社会人の10年から新たな道へ進むまでに随分と時間がかかりましたが、
今振り返ると、一度日本で働いた経験は、異国に行ってからもプラスのアピールポイントになります。
なぜなら、「社会人としてきちんと働く」と言う経験を日本で積んでおくことにより、現地の履歴書でもアピールでき、職探しでも有利に働きます。また、自分で稼いだ大切なお金で留学・海外移住計画をするということは、全てのステップを通して自信に繋がり、海外に渡ってからもちょっとやそっとじゃブレなくなります✨

なかなか決心がつかずに悩みなが過ごした10年間はちょっぴり長かったけれど、
日本で会社員として働き稼ぐ経験をしてからの渡仏は、私にとって大きな意味のある事でした。

フランスに来た今の自分

フランスに来た今思うことは、
「自分で選択した道なら、どの道を行っても大正解!」だという事。
その道を「正解」にするか「不正解」にするかは、自分のその後の行動次第です。

大切なことは、自分が選んだ道を最後まで信じて進むことだと思っています。
なぜなら、自分で決めた道で頑張らなかったら、自分で自分を裏切ることになりますからね。
やっぱり何事も自分を信じることが大切✨

この数年を振り返って、本当に色々なことがありました。

思いがけず、海外生活でコロナの世界を経験することにもなりました。(いろいろ踏ん張り時😠)
しかし、良いことも悪いことも全ての経験が私の人生を豊かにしてくれることには間違いありません。

もちろん、“フランスへ来た“ことが私の最終目的ではなく、これからもまだまだ取り組むべき課題が沢山あります。

でも月並みな言い方ですが、
何事もやらないで後悔するなら、とりあえずやってみてから後悔したほうが良いと思います。
「やらないで諦める後悔」と「やったけどだめだった後悔」は同じ後悔でも意味が全然違います。
それに、
もし試してみてダメなら、一度中断してそこからまた自分の納得できるベストな道を進めばよいだけの話。
その頃には、挑戦する前よりも多くの経験と知識が身に着いているはず。

そんな風に考えられるようになってから、新しい一歩を踏み出すことが昔よりも怖くなくなりました。

自分の気持ちと行動次第で、良くも悪くも未来の人生は変えられます。
それならば、前向きに行動し、このブログのモットーでもある、「笑顔溢れる楽しく豊かな人生にしたい」と思うのです。

そして、どこにいても自分の置かれた環境と支えてくれる周りの人達へ対する感謝の気持ちを忘れずに生きていきたいです🌹

最後までお読み頂き有難うございました。