フランスの卵文化。新鮮な卵の見分け方!

こんにちは😊

今回は食べ物のお話。

私がフランスに住み始めた頃、

最初にお世話になったステイ先のマダムに教えられて以来、今でも守り続けていることがあります。

その教えは、「少し高くても質の良い卵を買うこと!」

マダムいわく、フランスの安い卵は品質が良くないので避けるようにとのことでした。

当時、気になってスーパーで卵を調査してみると、

確かに同じ6個入りの卵一箱の値段が、1,5ユーロ~4ユーロと様々で驚いた覚えがあります。


フランス。ビオスーパーの卵売り場(全て有機卵)

この価格差の理由は「品質」と「飼育条件」。

フランスで売られている全ての卵にはコードが記載されており、

それを見れば、その卵について色々なことが分かります。

そこで今回は、「フランスと卵」をテーマにお伝えしたいと思います😊

フランス人と生卵

フランスでは、日本のような所謂「生卵」は殆ど食べません。

とはいえ、生の卵を食べることは食べるのです。

その例としては、

ステーキタルタルに乗っている生の卵黄や、ムースオショコラ(生の卵白をメレンゲ状にして作る)が挙げられます。

日本人の私からしてみたら、ステーキタルタル(生肉&卵黄)のような、
一見ハンバーグのパテのような見た目の食べ物のほうがギョッとしますが(意外に食べると美味しいです。笑)、、、

しかし、フランス人は日本人のように、卵をパカッと割って、そのままご飯と食べるような食べ方はしません。
(生卵白がダメ??)

たぶん、それをやるとかなり気持ち悪がられます。

納豆と生卵を混ぜた日には、フランス人が恐れ慄くことでしょう (‘Д’)!

フランスに来るまで意識したことがありませんでしたが、日本の食べ物は生卵が登場する回数が意外と多いです。

すき焼き・月見そば・卵かけごはん、など生卵を使った料理が日本には存在します。

一方で、フランスには日本のような生卵文化は存在しないので、家庭で卵を生で食べることはしません。

実際、私もフランスでは、一度も生卵を自宅で食したことはありません。

なんでも、

フランスの卵の殻は日本のように殺菌処理がされていないため、卵の殻にサルモネラ菌が付着している恐れがあるそうです。

つまり。

お腹をこわす確率が高い!

ということ😌

確かに、フランスの卵は、鶏の羽が付いたままだったり、

いかにも巣から取ってきました!と言わんばかりの卵の様子なことが良くあります。

実際、フランスの生卵に関しては食べるのが何となく怖いですし、私はそこまでのリスクと覚悟を背負うほどの生卵ラバーでもなければ、もともとあまり生卵食べない人なので、フランスで生卵は遠慮させてもらっています。

フランス人の卵の食べ方

日本のような生卵文化のないフランスですが、実はフランス人でも半熟卵は大好き!

卵が主役の料理なら、黄身はトロトロの半熟卵がお好きなフランス人😋

その代表例が、「Les œufs à la coque

殻ごと卵を半熟に茹でた後、卵の殻の上部を綺麗にカットして、黄身にバゲットをちょんちょんと浸しながら食べる食べ物。

コンテチーズを細長く切って、卵に浸して食べたりもします。

その他にも、

œufs pochés à la bourguingon ( œufs en meurette ) と言って、
赤ワインとキノコを煮詰めたソースと半熟卵を絡めて食べるブルゴーニュ地方の料理もあります。


ブルゴーニュで食べたœufs en meurette(黄身はとろとろの半熟卵)

その他にも、ウフマヨネーズなどなど、

卵が主役の料理が意外と多いフランス。

また、料理だけでなく、

フランス菓子にも、クレームパティシエ(カスタードクリーム)やフランなど卵を沢山使うパティスリーが数多く存在します。

フランスで卵を買うときのポイント

そんなフランスの人達が卵を買う際に注意するポイントがあります。

  1. 卵の破損がないか、ケースを開けて確認。
  2. 卵の品質や飼育条件の確認。(重要ポイント!)

フランスで売られている卵は、紙パックに入っていることが多いです。

購入する時に確認することは、ケースの中を開けて卵の状態を確認すること!

なぜなら、結構な高確率で卵が破損した状態で売られていることがあるから。

自分の目できちんと中身を確認してから購入しないと、割れた卵を買うことになるのです😓

フランスの卵の品質表示義務について

フランスの卵には、国が定める品質表示義務があります。

これは、卵の情報を一瞬で分かるようにするためのシステムで、

消費者にとっては、とても有難い情報です。

フランスの卵の品質表示義務

  • 賞味期限:DCR=Date de Consommation Recommandée
  • 鶏の飼育環境(国の定める飼育コードを明記する義務)
  • 卵のサイズ(S・M・L・XLのサイズ規定あり)

などが挙げられます。
補足情報として、<Pondu le =産卵日>が記載されていることもあります。

飼育条件が明確!卵の飼育コードは<4タイプ>

こうした国が定める表示義務の中でも、

特に日本と比べて厳しく、消費者にとって便利で分かりやすいと感じることは、

飼育条件のコード記載が義務化されていること。

この飼育コードを見るだけで、自分が手にしている卵がどのような環境で育った鶏の卵なのか一発で知ることができます。

フランスの定める飼育コードは<Code0~Code3>までの4タイプ存在します。

ここでは、それぞれのコードの飼育条件について詳しく見てみます。

フランスの飼育コードは4段階

  • CODE 0 (Élevage biologique)
    → 100%有機栽培の餌を用いて鶏を飼育していること。
    つまり有機卵になります。
    鶏の飼育環境として、鶏が草木のしげる屋外と屋内を行き来できる状態であること。
    屋内には、鶏の巣箱や餌が必要なだけ置いてある事などが条件。

  • CODE 1 (Élevage en plein air)
    →日中は鶏が、屋外に自由にアクセスできること。
    ラベル ルージュ(Label Rouge)の卵は、CODE1とすること。

  • CODE 2 (Élevage au sol)
    →屋内飼育。
    鶏が屋内で歩き回れる状態で飼育されていること。
    鶏が屋外へアクセスできない閉鎖的な環境。

  • CODE 3 (Élevage en cage aménagée)
    →屋内ケージ飼育。
    鶏の巣箱や餌箱の設置された飼育小屋に12羽~60羽のグループでケージ飼育されている状態。
    2012年11月から施行されている、ヨーロッパの管理基準を満たしていること。

卵のパッケージには必ずこの4つの飼育コードのどれかが記載されています。

今回はご紹介しませんが、この飼育条件のコードには、鶏が飼育されている土地の面積なども細かく定められ、

管理されています。

正直、卵の飼育条件に関するフランスの規制は、日本とは比較にならないほど厳しいです。

その分、消費者も値段が高くても納得&安心して卵を購入することができます。

CODE3レベルになると、卵の値段もかなり低価格になりますが、
その分、親鶏たちはストレスマックス状態の狭いケージで生活しており、餌もどんなものを食べているのか不明なので、どんなに安くても個人的には怖くて買えません。やはり鮮度も欠けます。

そんな訳で、私はいつもコード0かコード1の卵のみ購入しています😊

œuf frais> <extra-frais>は新鮮な卵の証

卵の中でも特に新鮮な卵は、「œuf frais」「extra-frais」と呼ばれる卵です。

特に、「extra-frais」の卵は、いつでも手に入るわけではありません。

マルシェやビオスーパーでタイミングが良ければ見かけることが出来る貴重な新鮮卵です。

これらの卵は<カテゴリーA>の最も鮮度の良い卵になります。

  • <extra-frais>と記載された卵:
    →産卵後9日目以内の産みたての卵。
    この場合、産卵日と産卵日から9日目の期日がパッケージに明記されることが原則です。
  • <frais>と記載された卵:
    →産卵後28日目まで消費可能な鮮度の良い卵。

卵の殻に刻印されたコードの意味


リヨンのビオスーパーSATORIZで見つけた卵のコード解説
(ちなみにSATORIZの名前の由来は日本語の「悟り」!)

卵に関する情報は、卵の殻にも刻印されています。

殻に刻印されたコードを見れば卵に関する情報が一目瞭然なのです🐓!

<殻に刻印されたコードの見方>

✔ 最初の数字が、飼育コード。(CODE0~3)
✔ 次の2文字のアルファベットが、産卵国。(フランスだったらFR)
✔ 次の3文字のアルファベットが、産卵地。
✔ 最後の数字が、産卵地の農場を特定する番号。
私たちが注目すべきポイントは、一番最初の数字ですね😉
それにしても、殻の刻印だけで、
ここまで詳細に卵の産地を追跡出来るシステムには驚きです。

まとめ

このように、フランスの卵文化は日本と違っていて興味深いです。

普段スーパーで手にする卵も、コードを見れば農場まで分かってしまうと思うと、

自分が普段口にする食べ物がどのような品質で、どのような環境で育った動物から生まれた食材なのか、意識せずにはいられません。

フランスで卵を目にすることがあれば、是非コードを確認してみて下さい😊

最後までご覧いただきありがとうございました。

※今回の情報は、フランス農業食料省(Ministère de l’Agriculture et de la Souveraineté alimentaire)の情報を参考にしています。
参考URL:https://agriculture.gouv.fr/etiquetage-des-oeufs-mode-demploi