フランスのヴィーガンとベジタリアン

こんにちは!

今回は、フランスの菜食主義についてのお話。

ちなみに食いしんぼうな私は、ヴィーガンやベジタリアンなどの菜食主義者ではありません。

これからも一切なる予定もなく、

生活の中で、なるべく野菜と動物性&植物性たんぱく質をバランスよく摂取できるように心がけています。

しかし、フランスに来てから思う事があるのです!

フランス人と同じように毎日のようにバターやチーズを食べるのは体質的に合っていないと。。。

なんとなく胃が疲れるし、体が重く太りやすくなる気がする😓

そこで、私の幼少期からの食生活について改めて見つめ直してみました。

たどり着いた答えは、和食はベジタリアンよりの料理が多いということ💡

野菜だけでも煮びたし・煮物・お漬物・お味噌汁などあっさりと楽しめるおかずのバリエーションが豊富です。お豆腐・油揚げ・味噌などの大豆食品も数多く存在します。そもそも、食文化として昔から日本人はバターのような動物性脂肪ではなく、サラダ油のような植物性オイルを取り入れる食文化が浸透しています。

実は私自身のフランス生活においても、無意識のうちに野菜中心の献立になっていることが多いです。

やはり日本人は、野菜を多く取り入れた食生活の方が体に合っているのかも😊

そんなことがあり、

最近になって今まで見向きもしなかったフランスのベジタリアンやヴィーガンたちの存在が急に気になり出しました。笑
(私は完全菜食主義者になるつもりはありません。)

特に彼らがどのようなレシピで料理しているのか大いに興味あり✨!!

そんなこんなで、今回フランスの菜食主義の傾向について私の視点でまとめてみました。

フランス・菜食主義の呼び名は4種類

一体なんのこっちゃ?と思われるかもしれませんが、

私がフランスに来てから知った、フランスにおける菜食主義者の呼び名についてご紹介します。

Végétariens(ベジタリアン -Rienで終わる)

Végétariens は、牛肉や鶏肉などのお肉や魚を食さない菜食主義者のこと。
Végétariens の中でも厳格さによって10パターンほど呼び方があるのが特徴。

<代表的な végétariens の種類>
Les ovo-lacto-végétariens:肉類と魚介類は食べないが、卵や乳製品(チーズやヨーグルト)は食べていい人たち。ヨーロッパに多いベジタリアンがこのパターン。
Les ovo-végétariens:卵は食べて良いが、乳製品を食べない人たち。
Les lacto-végétariens:乳製品は食べて良いが、卵は食べない人たち。
Les pesco-végétariens:魚介類は食べて良いひとたち。

Végétaliens(ベジタリアン -Lienで終わる)

Végétaliens は、完全菜食主義者で、動物由来の全ての食品を食べないのが特徴。
したがって、お肉・魚介類・牛乳やヨーグルトなどの乳製品・卵・はちみつなどの食べ物は一切口にしません。

Végans (ヴィーガン)

完全菜食主義者なだけでなく、動物に由来する全ての生活用品を使わない生活をする人たち。
ヴィーガンたちは、生きる上での価値観として、食品・衣類・化粧品など生活を取り巻く全てのものにおいて動物を利用した製品を使いません。
例えば、衣類は革製品、カシミヤ、羊毛などを身に付けるのはNG。
化粧品は、原料だけでなく、動物実験している化粧品は完全NGということになります。
菜食主義者の中で最も厳しいのがヴィーガン。

Flexitariens(フレキシタリアン)

フレキシブルに(一週間のうち数日間だけなど)、好きな時に好きなようにベジタリアン生活をする人たち。
特に厳しく決まった禁止事項はなく、自分の体調に合わせて意識的に野菜を取り入れた生活をしている人たちがこれにあたります。フレキシタリアンはどちらかというと、体の健康バランスを意識した生活を送りたい人達が多い印象。

フランスの菜食主義者たち

日本よりもヴィーガンやベジタリアンの人々が多いフランス。

スーパーへ行くと、ベジタリアン専用コーナーがあることもあり、私たちの日常に身近に存在する彼ら。
下の写真は、近所のスーパーのベジタリアンコーナーで発見した、ヴィーガンのチーズ製品。
(もはやチーズと呼んでいいのか分かりませんが。)
ベジタルブルーチーズと書いてあります。

チーズの国だから、
フランス人はベジタリアンやヴィーガンになってもチーズを食べたいのでしょうか?
フランスのスーパーへ行くと、色々なヴィーガンチーズが置いてあって見ていると面白いです。
中には、Fromageから派生して、Fauxmage(フォマージュ→嘘チーズ!)というユニークなネーミングのヴィーガンチーズも見かけたこともあります。

日本の豆腐も<TOFU>の名で、かなり浸透している模様。
日本の食材(豆腐、豆乳、こんにゃく、寒天、味噌、海藻など)は、菜食主義者たちに人気の栄養源。
ベジタリアンにあやかって、フランスの近所のスーパーで簡単に日本食材が手に入りやすくなりつつあることが私には有難い♡

街中の普通のレストランやカフェでさえ、最近ではベジタリアンメニューが必ず一つは用意されているお店が多いです。
私の周りにも、二人ほど現役ベジタリアンがいます。あとはグルテンフリーを好むフランス人も増えてきている気がします。
そんな現代の風潮から、ベジタリアンやヴィーガンでも楽しめるレストランも豊富。
ハンバーガー店でも、ベジタリアン専門店が普通にあるぐらい!

私も以前、興味本位でフランスのヴィーガンバーガーを食べたことがありましたが、
言われなければヴィーガンバーガーと気づかないぐらい、普通のバーガーと変わりなく美味しかったです。

リヨンのベジタリアンレストランに行ってみたよ♪

先日、リヨン1区にあるベジタリアンレストランへ試しに行ってみました。

お店の名前は、「Les Mauvaise Herbes」

日本語で訳すと「雑草🍃」という名のベジタリアン専門レストランです。

緑や自然を感じるナチュラルな雰囲気の店内は、友達とランチをするのにぴったり。
穏やかにご飯を楽しむ人達でにぎわっていました。

ランチメニューは、黒板に書かれているものの中からチョイス♪

<前菜>とうもろこしのスープ。
カレーのスパイスが効いたスープでピリ辛。

<主菜>アスパラガスと季節の野菜の一皿。

結構食べ応えがあって、おなかいっぱい!お味も美味しかったです。

デザートは、この後別のお店へ行ったので頼みませんでした。

Entrées + Plat のメニューで合計14ユーロは、フランスのレストラン価格にしては大満足。

日常で野菜不足な時や、お野菜を沢山食べたい気分の時には、ベジタリアンレストランを活用すると便利だと思いました。

日仏食文化と菜食主義

ここまでフランスの菜食主義についてお話しましたが、

実はフランスはEU諸国の中ではまだまだ菜食主義者の割合は少ない方であると新聞で読んだことがあります。

そこで思うのが、フランスの食文化の影響。

フランスは、Guide MICHELIN(ミシュランガイド)が毎年発行されるぐらい世界屈指のグルメ大国。
フランスの伝統料理を守るためには、菜食主義と言っていられないわけでもあります。フランス人は自国に対するプライドも相当に高いので、菜食主義者がいる一方で、トラディショナルを守ろうとする人も大勢います。

だから、菜食主義者が沢山いるけれど、アンチ菜食主義者も沢山います。

それに対して、日本の食文化はどうでしょう?

日本人に欧米諸国ほどヴィーガンやベジタリアンがいないのは、伝統的な食文化が発達しているからではないかと思っています。ユネスコ無形文化遺産に認定されているほど世界でも評価の高い和食は、魚の出汁なくして語ることはできません。フレンチのスターシェフと同じく、和食の料理長や板前さんになるためには、厳しい修行や試練を乗り越えてやっとなれるもの。

日本人にも、自国の食文化<和食>に対するプライドがあります。

また、現実的に考えて、仮に日本人が菜食主義者になった場合、美味しいお寿司もすき焼きも一生食べない覚悟を決めたということになります。

フランスの肉食文化と日本のお魚文化。

恵まれた食文化というフィルターが日仏の菜食主義に影響している気がしてなりません。

さいごに

食べることは生きること。

フランスでは、環境保護を目的に菜食主義者となる人も多くいますが、それはその人のひとつの生き方でありポリシーです。

たまに、ヴィーガンであることがまるで正義であるかのように振る舞う人がいますが、そのような考え方は私は好きではありません。

日本でベジタリアンというと、お洒落なイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし極端な話ですが、ベジタリアンの中には毎日主食のようにポテトチップスばかり食べている人もいます。それでは、全く健康な食事とは言えません。

個人的には、人それぞれが自分の食生活に満足し楽しく笑顔で食卓を囲むことが出来るならば、それが一番ハッピーなことだと思います。

動物だけではなく、野菜や植物だって地球上で生きている”生き物”です。

菜食主義云々の前に、「食べ物を戴く」「命をいただく」という心で、食べ物に感謝する基本姿勢を忘れないことが何よりも大切なのではないでしょうか。その心を持っていれば、食材を無駄にすることも、欲張るように過剰摂取することもなくなります。

宗教と同じように、それぞれの考え方が尊重され上手く共存していける社会となることが理想だと菜食主義が増える世界を見て考えるようになりました。

私はこれからも、

フランスの普通の食生活を楽しみつつ、自分の体にとって楽な食べ物のバランスを探っていこうと思います😊

最後まで読んで頂きありがとうございました。