<私のフランス留学③>ビザの種類と選択について

日本にいた頃の私が、フランス留学のために「どのような準備を行ったか?」「どのような問題にぶつかったか?」など、

フランスへ個人留学を考えている方へ向けて、
留学当初の私の経験や、やっといてよかったと思う事、留学してから気づいたことなどをご紹介する「私のフランス留学」シリーズです😊

今回のテーマは、「フランスの滞在許可証・ビザの種類と選ぶときの注意点」について。

そもそもビザって何?

フランス留学も含め、フランスに長期滞在する際の一つの関門がビザ(査証)の取得です。
日本国籍者がフランスに3か月(90日間)以上の長期滞在をする場合は、長期滞在ビザ、若しくは、滞在許可証を所持している必要があるのでとても大切なポイントです。ちなみに私たちが「旅行者」としてパスポートのみでフランスに滞在する場合は、「観光ビザ(3か月以内滞在可能)」が適用されるので特別な申請は必要ありません。ただし、もしも「ビザなし」や「ビザの有効期限が切れた状態」でフランスに3か月以上の長期滞在しようとした場合は、もちろん不法滞在者としてフランス政府に罰せられます。
だから渡仏後の在仏日本人は、フランスでのビザ更新に毎回ヒヤヒヤです😭!

渡仏前のビザの取得方法は、日本出国前に東京にある在日フランス大使館へ長期滞在ビザの申請を行うことで発行してもらえます。
フランスにおいて、外国人である私たち日本人が、フランスに長期間滞在するたの許可をフランス政府からもらわなければならないのです。フランス政府が定めるビザの取得条件に満たないと判断された場合は、ビザの発行が却下されることもあります。


滞在目的や滞在理由によって、該当するビザの種類が細かく分かれており、ビザの種類によってフランス入国後に与えられる権限が変わってくるので取得前によく検討する必要があります。つまり、渡航準備段階で、自分の滞在目的に一番適したビザをしっかりと選ぶことが大切です。

ビザの種類と選ぶ際の注意点

※2021年現在、コロナウィルス感染症の影響により、取得可能なビザの種類に制限があるのでご自身で良く確認してください。

予め言っておくと、ビザには様々な種類があり、私自身も全てのビザのタイプを把握しているわけではありません。

ただ、私と同じく「留学」という形で渡仏した知人友人を見ていると、大体が下記のビザの種類(3パターン)のうちのどれかに当てはまっているように思います。

  1. 学生ビザ:Visa étudiant (VLS-TS)
  2. ワーキングホリデービザ:Visa « Vacances-travail »
  3. ビジタービザ:Visa visiteur

ちなみに、私は33歳の時に「学生ビザ」を使って渡仏しました。

実際のところ、
ビザ取得時にワーキングホリデービザの取得可能年齢を超えていたため、そもそもワーホリビザは選択肢にありませんでした。ただ、渡仏後に出会った友人を見ていて、学生ビザを選んでよかったと感じることが度々ありました。
皆さんの中で、「ワーホリビザ」にしようか「学生ビザ」にしようか悩んでいる人がいたら、私の個人的な意見ですがひとつの参考にしてみてください。

「ワーキングホリデービザ」のメリット・デメリット

ワーホリビザの一番の魅力は、なんといっても1年間の滞在期間中に自由に生活し、自由に働くことが出来ること!
日本にいたときには考えもしませんでしたが、この「自由に働ける権利」が与えられていることは、本当に素晴らしいことです✨ワーホリビザで渡仏した友人たちも、それぞれの目的に合わせて仕事探しをしていました。(ワーホリで認められている労働時間は週35時間まで。)
ワインの勉強がしたくてフランスへやって来た友人は、渡仏後2週間という素早さでワインに関わる仕事をゲットしていて、その行動力にビックリしました😇!!

ワーホリビザを使って渡仏する場合は、フランスで学校に通うことが必須条件ではないので、一年間という貴重な時間を自分の好きなようにアレンジして生活できます。

だから、フランスでガッツリ働いて貯金しながらフランス生活をする人・フランスを拠点にヨーロッパを旅しながら生活する人・フランス語を学びながら好きなことをする人など、人によってスタイルも多種多様。

運よく、良い仕事が見つかって雇用主に気に入ってもらえれば「就労ビザ」の取得も叶わなくもないです。(ただし、フランスで雇用主に発行してもらう「就労ビザ」の取得はとてもハードルが高いです。)

どちらにしても、フランス語が出来なければフランスで働くチャンスは限られてしまうので、ワーホリでフランスに来た人たちも少なくとも数か月間は語学学校へ通っている人が多い印象でした。

ワーホリビザのメリット

  • 1年間フランスで自由に生活しながら様々な経験が出来る
  • 労働許可が与えられている(週35時間まで)
  • 語学学校や大学に通うことが必須条件ではないので、学費を抑えることができる
  • 一生に一度フランスに住んでみたいという若者向けのビザ

ワーホリビザのデメリット

  • ビザ取得に年齢制限あり(18歳以上30歳未満、人生で一度だけ取得可能)
  • 渡仏後にSecurite sociale(国民保険)に加入できない。Carte Vitalはもらえない。
  • 一年を超すフランス滞在が出来ない(現地でのビザの延長更新不可・身分の変更不可)

ワーホリビザで渡仏した友人たちが嘆いていたことは、如何なる場合においても一年を超すフランス滞在が出来ないことでした。それがワーホリビザの前提条件なので仕方がないのですが、やっぱり実際にフランスに住んでみて挑戦してみたいことが出来たり、「もっとフランスに住み続けたい」と思っても、例外なく渡航から一年後に母国に必ず本帰国しなければならないのが、ワーホリビザの辛いところ。
友人の多くも泣く泣く日本へ帰国していきました。どうしてもフランスに戻ってきたい人は、日本帰国後にまた他のビザを取り直して渡仏する方法もあります。その場合は、また一から全てを準備しなければならないので、時間・手間・コストを考えるとかなり面倒です。
それから、フランスは外国人でも福利厚生の扱いが比較的良く、フランスに3か月以上住む外国人も国民保険(Securite sociale)に加入することが出来ます。しかし、ワーホリビザは対象外。国民保険に入っていると、フランスで病気になったときにフランス人と同じように一定額の保険が適用されるのでお医者さんにかかっても安く済みます。

「学生ビザ」のメリット・デメリット

続いて、学生ビザについて。

学生ビザは、フランスで「勉強する」ことが目的のビザなので、語学学校や大学・大学院・専門学校に入学することがビザ取得のための必須条件です。
そのため、ビザ申請の時点でフランスの高等教育機関が発行する入学証明書の提出が必要になります。

語学学校の場合、半年のみの学校登録など短期だと最小限の短期滞在ビザしかもらえない場合もあるようなので、語学学校に通いながら一年間「学生ビザ」を使ってフランスに滞在したい場合は、「一年間学校に通いますよ!」という入学証明を渡航前にしなければなりません。
また、学生ビザは渡航から一年後、引き続きフランス滞在を希望する場合は、現地の「県庁」または「警視庁(パリの場合)」で滞在許可証の更新手続きを行うことが出来ます。
学生ビザも、就労権利はありますが、フランスの法定労働時間の60%しか働けないので、およそ週20時間ほどの限られた時間内の労働が可能です。
あくまでも、「勉学」が最優先ということですね。

学生ビザのメリット

  • ビザ取得の年齢制限なし(ただし、年齢が上がるにつれ取得は難しくなる)
  • 勉強しながら働ける(アルバイト程度)
  • フランスの国民健康保険に加入できる
  • フランスで滞在許可証の更新手続き・身分変更が出来る

学生ビザのデメリット

  • フランスの公立/私立の高等教育機関に事前登録必須
  • 学生ビザで滞在するには学費がかかる
  • 認められる労働時間に制限がある
  • 渡航前(ビザ申請前)にキャンパスフランスに有料で登録しなければならない

学生ビザは、なんといっても学業に専念することが大前提。怠けて単位やディプロムを落とすとその後の滞在許可証の更新が出来ないこともあるようです。また、フランスでの生活費に加え毎年の学費がかかるので、日本にいるうちにそれらの学費を賄えるだけの貯金をしておくことをオススメします。
大学・大学院・専門学校に入学予定の人はビザの種類は「学生ビザ」になる方が多いです。語学学校の登録でも学生ビザの取得が可能ですが、最近はビザの発行条件が厳しくなってきているらしく、場合によっては却下されることもあるようです。

注意したいことは、渡航前の学生ビザ申請のためには、「キャンパスフランス」という公的機関に事前登録していることが必須条件でその登録に時間がかかります。
キャンパスフランスの事前登録は、「渡仏目的」・「学業目的」・「フランスで何を学び将来何がしたいのか」などの志望動機書を英文または仏文で作成し提出しなければなりません。提出し無事に受かった後、在日フランス大使館でフランス語で面接を行い、最終的に合格すれば晴れて、在日フランス大使館での学生ビザの申請手続きに進むことができます。

👉キャンパスフランスのホームページはこちら:https://www.japon.campusfrance.org/ja

現地で学び・専門知識やディプロムを取得しながら、学生ビザで滞在期間の延長更新が出来ることも、かなり大きなポイント。学生ビザ終了後も、場合によっては滞在許可証の身分変更も可能なので、「フランスに残るか?」「日本に帰国するか?」個人の状況によって選択の幅が広がるのも良いところ。
フランス留学を通して、きちんと勉強したい人・フランスで資格を取り将来のキャリアに活かしたい人・フランスでとことん挑戦してみたい人には「学生ビザ」がおすすめです。

「ビジタービザ」のメリット・デメリット

正直なところ、学業目的でのビジタービザの取得は基本的に認められていないので、留学でビジタービザを申請することは個人的にはあまりおすすめできません。
ただ、学生ビザの取得は年齢が高くなるほど取得が難しいと言われているので、勉学・就労が目的ではなく、フランスで生活しながら様々な体験をしたい大人向けの滞在スタイルを希望の方がビジタービザに向いているのかなと個人的に感じています。
例えば、既にフリーランスとして日本で日本円で収入を得ている人(海外に住んでも日本からの収入源がある人)などは、ビジタービザで渡仏される方が多い印象です。

一般的にビジタービザの取得条件は、「個人的な目的の場合(労働・学業が目的ではない場合)で、フランスに長期滞在したい人」が対象とされています。
ただ、この「個人的な目的」の範囲がかなり曖昧なので、どこまでの活動が許されるのか個人的に疑問ではあります。

ビジタービザのメリット

  • ビザの取得年齢に制限がない
  • フランスで自適に生活し、様々な経験がしたい大人向けのビザ

ビジタービザのデメリット

  • 学業目的・ディプロム修了書取得の目的での長期滞在不可
  • フランスでの就労不可
  • フランス国内で現地収入(報酬)を伴う全ての就労活動が認められていない
  • ビザ取得の為の経済証明(残高証明)の証明金額が大きい

こうしてみると、やはり留学目的でフランスに長期滞在したい人にはデメリットの方が大きいように思います。
ちなみに、ビジタービザを申請するためには、動機書の提出が必要です。

まとめ

フランスの教育機関で本格的に学びたい人には、やはり「学生ビザ」がよいと感じています
そこで、私が留学する人に是非おすすめしたいのが、「語学+α」 の何かをフランスで身に付けること。語学学校で語学だけ習得するのもいいですが、「+α」 で自分の興味のある分野をフランス語で勉強したり、知識を身に付けると留学後の可能性や視野が大きく広がります。
私自身も、語学留学後に現地で滞在許可証を更新し、L’Ecole supérieureと呼ばれるカテゴリーの学校で専門知識を身に付け最終的にディプロムを取得しました。
それにより、語学留学だけでは得られなかっただろう一つ上の経験が出来たことは、自分の中での大きな自信に繋がったと思います。
結果的に、「学生ビザ」を選んで渡仏して良かったと思っています😊
 
皆さんも是非、自分の目的に合ったビザを選び、妥協せず納得のいくフランス留学をされることを願っています♡

最後まで読んで頂き有難うございました。

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